その仮面、剥がさせていただきます!
あたしとリクはマンションを出て駅に向かって歩いていた。
制服じゃないリクと歩くのは初めてで、これまでの中では断トツに、リクの隣に居づらい自分がいる。
すれ違う人がみんなこっちを見ているんじゃないかってほど、目立ってる気がするのは、たぶんあたしの気のせいなんかじゃない。
「リツ。デートコース考えたんだけどね」
あたしに向かって微笑みながら話すリクを無視するように、あたしは真っ直ぐ前を見て歩いていた。
だって……
細身のジーンズ。ショールカットジャケットの下にはエンジのカーディガンが覗き、第二ボタンまで外した白っぽいシャツの首元に光るアクセ。
どれもリクにしっくりと馴染んでて、テレビに出てる芸能人や、雑誌に載ってるモデルより、カッコよく見えてしまう。
隣を歩くあたしとは、益々差が開いたって感じなんだもん。
それに……
「リツ?」
「あ。ごめん、考え事してて」
「何考えてたの?」
リクはあの時のあたしの発言をどう思っているんだろう……
春樹に殴られた時だって、手当をしてくれたのに、あたしは怒ったように帰ってしまった。
それからリクはあたしを避けるように会いにも来なかったのに……
それなのに、リクはどうして今日こうしてデートにあたしを誘ったのかって考えてしまう。
「あのね。リクはあたしのこと怒ってないの?」
「どうして怒るの?」
「だって……怒ってたから、リク最近あたしのこと避けてたんじゃない」
言いたいことはそんなことじゃなくて、ホントは素直に謝るべきなのに、あたし
はどうしても素直になれない。
「リツ……俺は怒ってもないし、リツのこと避けてもないよ」
「ウソ……」
「嘘じゃないよ。だって俺たち付き合ってるんだから」
付き合ってる……からか。
リクの王子マニュアルのことをすっかり忘れてたあたし。
リクはどんな女の子でも悲しませないし、傷つけない。だから、自分からフルことなんか絶対にあり得ない。
そう分かっているのに、どこかで期待している自分が腹立たしかった。
「リツの方が俺のこと怒ってない?」
リクの部屋から帰った時のことを言っているんだと思ったあたしは「そんなことないよ」と答えた。
リク気にしてたのかな?って思ったのに。
「だってリツ。俺から離れすぎじゃない?」
「え?」
リクとあたしのビジュアルの違いに、あたしはこの男とは他人です、って感じで知らず知らずにリクとの距離が離れてたみたい。
「人が多い所だったらはぐれちゃうよ」
そう言って、リクは当たり前のようにあたしの手を握った。
制服じゃないリクと歩くのは初めてで、これまでの中では断トツに、リクの隣に居づらい自分がいる。
すれ違う人がみんなこっちを見ているんじゃないかってほど、目立ってる気がするのは、たぶんあたしの気のせいなんかじゃない。
「リツ。デートコース考えたんだけどね」
あたしに向かって微笑みながら話すリクを無視するように、あたしは真っ直ぐ前を見て歩いていた。
だって……
細身のジーンズ。ショールカットジャケットの下にはエンジのカーディガンが覗き、第二ボタンまで外した白っぽいシャツの首元に光るアクセ。
どれもリクにしっくりと馴染んでて、テレビに出てる芸能人や、雑誌に載ってるモデルより、カッコよく見えてしまう。
隣を歩くあたしとは、益々差が開いたって感じなんだもん。
それに……
「リツ?」
「あ。ごめん、考え事してて」
「何考えてたの?」
リクはあの時のあたしの発言をどう思っているんだろう……
春樹に殴られた時だって、手当をしてくれたのに、あたしは怒ったように帰ってしまった。
それからリクはあたしを避けるように会いにも来なかったのに……
それなのに、リクはどうして今日こうしてデートにあたしを誘ったのかって考えてしまう。
「あのね。リクはあたしのこと怒ってないの?」
「どうして怒るの?」
「だって……怒ってたから、リク最近あたしのこと避けてたんじゃない」
言いたいことはそんなことじゃなくて、ホントは素直に謝るべきなのに、あたし
はどうしても素直になれない。
「リツ……俺は怒ってもないし、リツのこと避けてもないよ」
「ウソ……」
「嘘じゃないよ。だって俺たち付き合ってるんだから」
付き合ってる……からか。
リクの王子マニュアルのことをすっかり忘れてたあたし。
リクはどんな女の子でも悲しませないし、傷つけない。だから、自分からフルことなんか絶対にあり得ない。
そう分かっているのに、どこかで期待している自分が腹立たしかった。
「リツの方が俺のこと怒ってない?」
リクの部屋から帰った時のことを言っているんだと思ったあたしは「そんなことないよ」と答えた。
リク気にしてたのかな?って思ったのに。
「だってリツ。俺から離れすぎじゃない?」
「え?」
リクとあたしのビジュアルの違いに、あたしはこの男とは他人です、って感じで知らず知らずにリクとの距離が離れてたみたい。
「人が多い所だったらはぐれちゃうよ」
そう言って、リクは当たり前のようにあたしの手を握った。