その仮面、剥がさせていただきます!
シチューのいい匂いがコンロの鍋から漂い、部屋とあたしの鼻孔に充満する。
箸とスプーンを用意しながらテーブルに並べられた料理にあたしの目はクギ付けだった。
ヨダレが垂れそうなのを我慢して椅子に座るとリクが焼きたてのガーリックトーストをテーブルの中央に置いた。
「冷めないうちに食べようか」
待ってましたとばかりにスプーンを握り、シチューの中のジャガイモをすくう。
口の中でほくほくの感触と素材の甘さが広がると、感動のあまりあたしは目を閉じた。
「どうかな?」
「美味しすぎるよ!リクをお嫁さんにしたいぐらい!!」
「お、お嫁さん!?」
「これもリクが作ったの?」
深いお皿にキレイに盛り付けられた料理を指さして聞いてみた。
「白身魚のマリネだよ。リツの口に合うかどうか分からないけど」
迷わず口に放り込む。
「おいひ~」
あまりの美味しさに落ちそうになるほっぺを押さえたあたしは味わいながらも次々と料理を口に入れた。
あたしの前に座っているリクはその光景を見て嬉しそうに微笑んでいる。
今度いつこんな美味しい物が食べられるだろう。
そう思った途端にこれからのことが不安になる。
そして隣の部屋で起こったさっきの出来事が蘇ると休みなく動いていた箸が止まった。
いくら美味しい料理を口にしたところで、春樹に唇を奪われた感触が消えない。
あいつは拓にぃにけし掛けられてあたしにキスしただけだけど、それでも春樹とあたしがキスをしたって事実は変えられない。
春樹を殴ったリクはどういう想いであたしをここに連れてきたんだろ?
あの時もそうだった。
春樹に叩かれたあたしの手当をしてくれた……
その時は付き合ってたからだろうけど、それじゃ今は?
今は友達としてこうしてあたしに笑顔を向けてくれているんだろうか?
リクを見ると「おかわりあるよ」と嬉しそうに言ってくれる。
リクの気持ちを知って自分の気持ちにけじめをつけなければいけないのに、あたしにはどうしてもそうすることが出来ないでいる。
箸とスプーンを用意しながらテーブルに並べられた料理にあたしの目はクギ付けだった。
ヨダレが垂れそうなのを我慢して椅子に座るとリクが焼きたてのガーリックトーストをテーブルの中央に置いた。
「冷めないうちに食べようか」
待ってましたとばかりにスプーンを握り、シチューの中のジャガイモをすくう。
口の中でほくほくの感触と素材の甘さが広がると、感動のあまりあたしは目を閉じた。
「どうかな?」
「美味しすぎるよ!リクをお嫁さんにしたいぐらい!!」
「お、お嫁さん!?」
「これもリクが作ったの?」
深いお皿にキレイに盛り付けられた料理を指さして聞いてみた。
「白身魚のマリネだよ。リツの口に合うかどうか分からないけど」
迷わず口に放り込む。
「おいひ~」
あまりの美味しさに落ちそうになるほっぺを押さえたあたしは味わいながらも次々と料理を口に入れた。
あたしの前に座っているリクはその光景を見て嬉しそうに微笑んでいる。
今度いつこんな美味しい物が食べられるだろう。
そう思った途端にこれからのことが不安になる。
そして隣の部屋で起こったさっきの出来事が蘇ると休みなく動いていた箸が止まった。
いくら美味しい料理を口にしたところで、春樹に唇を奪われた感触が消えない。
あいつは拓にぃにけし掛けられてあたしにキスしただけだけど、それでも春樹とあたしがキスをしたって事実は変えられない。
春樹を殴ったリクはどういう想いであたしをここに連れてきたんだろ?
あの時もそうだった。
春樹に叩かれたあたしの手当をしてくれた……
その時は付き合ってたからだろうけど、それじゃ今は?
今は友達としてこうしてあたしに笑顔を向けてくれているんだろうか?
リクを見ると「おかわりあるよ」と嬉しそうに言ってくれる。
リクの気持ちを知って自分の気持ちにけじめをつけなければいけないのに、あたしにはどうしてもそうすることが出来ないでいる。