揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
一度家に帰って荷物を置いてから、俺は克也の家に来た。


玄関のインターホンを押す時に、かなり緊張して。

もしかしたら由佳さんが出るかも?と思っていたのに、出たのは克也だった。


2階のアイツの部屋に上げてもらい。

しばらくすると、おばさんがジュースとお菓子を持って来てくれた。


おばさんが出て行くのを見届けると、克也がこっちを向き直して口を開いた。


「で?何か話があったんだろ?」


『話がある』とは言ってなかったものの、克也にはお見通しだったらしい。


「悪かったな、いきなり約束して」


とりあえず、そう謝っておいた。


「別に、部活無くなったからいいけど。でも、ホント珍しいな。大翔から誘ってくるなんてさ」


確かに、俺は自分から誰かを誘ったりとかはあまりしない。

みんながはまってるゲームとかに、全く興味がないし。


「あ、あのさ……」


そう言いかけたものの、どう続けていいか迷ってしまった。


由佳さんの…彼氏の事が、訊きたかったんだ。

どんな奴なんだ?とか、いつからつき合ってるんだ?とか……。


訊いてどうする?って言われたら、何も言えないんだけどさ。


「……まぁ、大体何の話か想像がつくけど?」


言葉を紡げないでいたら、あろう事か克也にそう言われてしまった。


ソウゾウガツク?


それって、俺が由佳さんの事を好きだって気付いてるって事?
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