揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「……?」


「お前次第で、これからいろいろ変わってくるんだから。早いとこ伝えた方がいいぞ」


「……はぁ!?」


監督?

監督って、野球部の監督の事か?


何で監督に、由佳さんを好きな事を伝えなきゃいけないんだよ!?


「だってそうだろ?お前がファーストかピッチャーかによって、みんなのポジションがいろいろ変わってくんじゃんっ」


なんか…話が噛み合ってなくないか?


ポジション?

何で、由佳さんとポジション?


「あのさ、克也」


真剣な顔で訴えてくるアイツの両肩に手を置き、真っ直ぐに見返した。


「お前…何の話してる?」


「は!?お前がしてきたんじゃんっ!だって、悩んでんだろっ?監督にピッチャーに転向しろって言われた事っっ」


……話が、繋がった。


克也が言ってるのは、練習試合が終わった後に監督から出た話。

最近ピッチャーの春也(はるや)の調子が悪いから、俺にピッチャーをやらないかって話があった事だ。


「その件は、全然悩んでないから。ファースト一本でやってくつもりだし」


半分キレ気味に、俺は克也にそう告げた。


はぁ……。

ほんっと、バカみてぇ……。


克也が気付くわけないのに。

俺が…バカだったよ。
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