揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「野球部の子のお姉さんなんですね?名前、教えてもらえますか?」


なっ、なんでそこまで?


疑われてる?私。

しかも、小学生に。


「私は吉野由佳で、弟は吉野克也。これでいい?」


「あとで、本人に確認しておきます。でも、こんなところから覗いてたら変質者かと思われますから、早々にお引き取り下さい」


あくまでも勝気な彼女は、そう言うとピッと道路を指差した。


……とっとと帰れって事ね。


ボブの髪型に、意志の強そうな目。

私が行くまで、きっと彼女はここをどかないだろう。


「……分かりました」


非常に不本意ながら、私はその場を離れて家に向かって歩き出した。


全く、何なの?あの子!!
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