揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「姉ちゃんさぁ、今日覗きしてたってマジ?」


夕飯時。

私の向かいに座ってハンバーグを食べていた克也が、思い出したように突然そう言いだした。


「覗き?」


克也の言葉に、お母さんが反応する。


「ち、違う違うっ。たまたま学校の横を歩いてたら野球部が練習してたから、見てただけ」


箸を握ったまま、慌てて否定した。


『覗き』だなんて、人聞き悪いよ。

っていうか、それを克也が知ってるって事は……?


「克、それ誰が言ってたの?」


「んー?水沢だよ」


「水沢?それって、髪これぐらいの気の強そうな女の子?」


左手で、肩ぐらいを触ってみせる。


ボブカットの彼女の事かもっ?


「あぁ、そうそうっ」


やっぱり……。

あの子、ホントに克に確かめてんじゃんっ!!


思わず、箸の無い左手に拳を作り、震わせた。
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