揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「だから、私が大翔君にっっ!」


最後は、もうヤケで。

怒鳴るように言ってやった。


なのに、肝心な克也はポカンと口を開けてこっちを見てる。

どんな珍しい物を見たんだ?っていうぐらいに。


「誰が…誰に……?」


おいっ!

またそこから戻るの?


「私が…大翔君に……」


「何…するって……?」


「……告るの!!」


なんだか、どっと疲れてきて。

私は、肩で息をしていた。


克也は何か考えてるのか、じっと私の顔を見たまま止まっている。

ちょっと…刺激強すぎたかな?


仕方なく、私は克也が口を開くのを待った。








待つ事、数分。

だけどそれは、私たち姉弟にとってはとてつもなく長い数分間に感じられて。


「……あのさ、もう一回訊いていい?」


「……どうぞ」


「俺の耳がおかしいかもしんねぇけど、姉ちゃんが…その…大翔に、告るの?」


「そう」


「大翔って、俺のダチの大翔……?」


「そう!」


「小学6年生の…大翔?」


「そう!!」


「姉ちゃん、高2…だよね?」


「そう!!!」


十分に分かっている現実をこう何度も尋ねられると、ムカッとしてくる。

分かってるのよ、私だって!


好きになったんだから、しょうがないじゃないっ!!
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