揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「言ったでしょ?私は別に、あなたのお父さんが好きで結婚したんじゃないって。大翔が好きだから…結婚したのよ」


そして、舌を絡めるような激しいキスを浴びせてきて。

首に手を回し、俺の髪をつかんでくる。


まどかさんは、俺の事を愛してると言う。

毎日のように、俺の体を求めてくる。


だけど俺にとってこれは、愛の儀式でもなんでもない。

生きていく為の、最後の手段。


彼女に捨てられない為に。

彼女を愛する振りをする。


「はぁ…ひろ…と……」


とろんとした瞳を俺に向け、容赦無く挑発してくる。

誰が、こんな彼女の本性を知っているんだろうか?


実家が大きな会社を経営する、生まれながらにしてのお嬢様。


五人兄弟の内の三姉妹の末っ子だったので、反対されながらも父さんとの結婚にこぎつける事ができたらしい。

未亡人となった今、俺達の家計を支えているのは彼女の実家からの支援だけなんだ。


「あなたが梨香ちゃんを好きじゃないのは知ってる。だけど、由佳さんはダメ。本気で、私以外の人を好きにならないで……」


そしてゆっくりと、俺のチェックのシャツのボタンを一つずつ外していく。
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