揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「みんなの前で言うから恥ずかしくってさぁ。もう、やめてくれよ?」


克也の言葉に、思わず耳を疑ってしまった。


「今…何て言った?」


「だから、『もうやめてくれよ』って」


「その前っ!」


「?……『みんなの前で言うから恥ずかしくってさぁ』?」


棒読みな言葉が、私を一気に羞恥に追いやった。


『みんなの前』って、大翔君の前って事でもあるじゃん!


「何よそれぇ……」


一気に全身の力が抜け、私は箸を置いた。


もうダメっ。

最悪だぁっ。


これで、大翔君の中の私のイメージ。

『克也の姉ちゃん=覗き魔』になっちゃったじゃん!


バカバカっ、水沢のバカっ!
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