揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
ふぅっ。


小さな溜息がもれた。


お似合いだったもんな、2人……。


昨日の2人の姿を、思い浮かべていた。

かわいい彼女と長身のイケメン。


俺の入る隙なんてねぇじゃん。

それに……。


『由佳』


ってアイツは呼んでた。

2人の距離は、きっと確実に縮まっている。


俺、こんな辛い役の為に此処にいるのか?


そう考えると、無性に虚しくなってくる。

俺が由佳さんと何でもない事を告げれば、彼女と彼の間はさらに縮まるのだろう。


もし……。


ふと、思いついた。


もし、俺がここで由佳さんに告ったら?

そしたら、彼女は一体どうするだろうか……?


少しは、俺の事見てくれるかな?

それとも、とことん俺の事を嫌いになる?


そんな事を考えていた時だった。


カチャ


と遠慮がちにドアが開き。

トレイにコーラの入ったグラスと何やらお皿を乗せて、由佳さんが戻って来た。


「ごめんね、お待たせ」


そう言って、彼女はトレイをガラステーブルの上に置いた。

グラスをそれぞれの前に置き、2人の間にクッキーの入ったお皿を置く。
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