揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「私も…好き。克也の友達としてじゃなくて……」


俺の耳元で聞こえる、彼女の声。

愛しい人の声がこんなにも心地よいものなのだいう事を、身にしみて感じた。


ずっと、ずっとこうしていたい。


何もかも忘れて。

好きな人のぬくもりを感じながら、抱きしめていたい。


「俺の事、男として見てくれてますか?小学生のガキだけど、由佳さんの事…ホントに好きですから」


こんな頼りないガキだけど、由佳さんを想う気持ちは負けないから。


「私こそ、いいの?こんな高校生が好きなんて言って、気持ち…悪くない?」


不安そうな、彼女の声。

気持ち悪いだなんて、思うわけがないのに。


「嬉しいに、決まってるじゃないですか」


そう告げると、俺はゆっくりと体を離した。

両肩をつかんだまま、真っ直ぐに彼女を見る。


涙は…既に零れていた。


頬に伝っている幾粒もの涙を、俺はそっと指で掬い上げた。

ビクッとする驚いた顔の彼女がまたかわいくて、俺の理性のタガはまた簡単に外れた。


「んっ……」


ずっと求めていた彼女の唇に、キスを落とす。

彼女の口から、微かに声が漏れた


柔らかいその唇を、角度を変えて何度も味わう。

まどかさんや梨香とするのとは違う、心まで満たされるようなキス。


慣れていないのか。

ぎこちない感じの彼女をまた愛しく想い、もっと深く絡みたくなる。
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