揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「えっと…何だった?」


『分かってんだろ?俺が掛けた理由』


「……うん」


自分に非があるだけに、どうしても下手(したて)に出てしまう。


『今から、俺ん家にちょっと来いよ』


「えっ、今から?今日、ちょっと用事があるんだけど……」


『何時から?』


「い、1時……」


ついつい、バカ正直に答えてしまった。

もう少し早い時間を言えば、行かなくて済んだかもしれないのに……。


『……すぐ済むよ。じゃあ、待ってるから』


そう言って、電話は一方的に切られてしまった。


な、何て強引な奴っっ。


そうは思いながらも、行かない訳にはいかなかった。

だって、諒斗が真吾を紹介したわけだから……。


ちゃんと話して、謝ろう。


そう決めると、とりあえず近くにあった服を手に取り、着替え始めた。

諒斗に会うぐらいなら、別にお洒落する必要もないし。


とりあえず時間が惜しいので、急いで着替え、そのまま携帯だけを手にして家を出た。
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