揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「あん時の小学生のガキ!?」


驚くのはしょうがないとして、その怒った口調やめてくれないかなぁ。

会話しづらいよ……。


「小学生だけど、大翔君はホントしっかりしてるんだよ?私より全然大人だし」


精神年齢は、絶対向こうの方が高いと思うし。


「……小学生のどこがいいんだよっ!?まだランドセルしょってんだぜ?そーゆー趣味なのか?お前っ」


呆れたような口調の、諒斗。


アイツが言ってるのって、いわゆるショタコンって事……?


「ち、違う違うっっ。小学生が好きなんじゃなくて、好きになった人がたまたま小学生だったのっ!」


誤解のないように、慌てて否定する。

意味が全然違うってばっ!


「真吾じゃ…ダメだったのかよ?」


責めるような問い掛けに、チクリと胸が痛んだ。


彼が素敵な人だっていうのは、十分すぎるほど分かってる。

だけど…やっぱり大翔君がいいんだよ。


「ごめんね……」


グラスをテーブルに置き。

私は、手を膝の上に置いて頭を下げた。


「……分かんねぇよ、由佳。真吾よりいいのか?あんなガキがっ」


ガンッ、と怒りをぶつけるように諒斗はグラスをテーブルに置き。

揺れた麦茶がグラスから飛び出して、テーブルとアイツの手を濡らしてしまった。


「あぁっ、濡れてるじゃん諒斗っ」


慌てて、床に置いてあったボックスティッシュに手を伸ばす。

何枚か取り、諒斗の手を拭いてやろうと思った時だった。
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