揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
ちょ、ちょっと待って!何でこんなことすんのっ!?


慌てて体を離そうとしたけれど、きつく抱きしめられていて身動きがとれない。


だって、諒斗には可愛い彼女がいるじゃん?


「ん…っ」


重ねるだけのキスから、今度は舌を入れてきた。

口の中を舐め回され、私の舌も絡め取られる。


「はぁ…っ」


とにかく、息苦しかった。


酸素を求めて唇を離そうとするけれど。

頭をしっかり押さえられていて、こっちも動かせない。


「由佳……」


キスの合間に掛けられた声。

何だか切なくて色っぽくて、いつもの諒斗の声じゃない。


知らない人のように思えて来て、怖い……。


「んっ、んっ!」


アイツの胸を押しのけようとしたら。

反対に、そのままベッドの上に押し倒されてしまった。


「好きなんだよっ」


そう言って、再び舌を入れてくる。

何度も何度も角度を変えて、私の舌に絡めてくる。


好き……?


されるがままのキスの中、その言葉が気に掛った。


どういう意味の『好き』?


「中学ん時から、お前の事好きだったんだよっ」


唇を離し、私の顔のすぐ上で…諒斗はそう告げた。

まさかの、こんな形での告白。


「だって、片山さんが……」


片山さんは、諒斗の彼女。

校内でも有名だった、可愛い女の子。


私が諒斗を好きになった時には、既につき合っていたのに……。


「俺がお前を好きになった時には、もう紗恵(さえ)とつき合ってて。別れようとしたけどさ、お前が俺に『いい友達でいようね』なんて言うから……」


私の上に跨り、数十センチしか離れていない所で見下ろしてくるアイツは。

なんだか…泣きそうな顔をしている。
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