揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「離してっ。やだっ、こんなのやだよっっ」


「お前が悪いんだろっ!?あんな奴選ぶからっっ」


そう言って、腕を押さえる手に力を込めてくる。

手首が締めつけられて、かなり痛い。


「大翔君は…いい子だよっ」


痛みと、首筋を這われる舌の感触が嫌で顔が歪む。


だけど、ちゃんと伝えなきゃいけないんだ。

大翔君を選んだことは、間違いなんかじゃないんだって。


「小学生に何ができるんだよ?それとも、もう何かされたのかっ?」


責めるような口調の諒斗から顔をそらす。

キスより少しだけ進んだ関係の自分達を知られたくなくて、無表情を装う。


だけど…アイツは納得しなくて。


「言えよ。どこまでヤったんだよ?アイツと」


そう言うと、私の髪をぐっと鷲掴みにして引っ張ってきた。


「いたっ!痛いっっ!!」


力任せに引っ張られ、涙が出そうに痛かった。


「なぁっ!?最後までヤったのかよ?あのガキとっ」


「なん…で?」


胸の中に悲しみが溢れ、涙が零れてくる。


仲のいい友達になれたはずの、私と諒斗。

何で…こんな風になってしまったの?


「大翔君が彼女と別れたら、私達つき合うの。だから、もうこんな事やめて」


自分のすぐ上にある、諒斗の顔。

その顔は…見た事のない人のモノのようだった。


「そんなの、認めるわけねぇじゃんっ!」


そう言ったかと思うと、諒斗は私のパーカーのファスナーをいきなり全部下ろしてきた。


「ちょっ、やめてっ!」


開いたパーカーの下から、キャミソールがまともに見える。


「何だよ、これ……?」


私の下着姿を見ていたアイツが、左の鎖骨の辺りを触りながらそう言った。

その感触で、私はふと思い出していた。


『由佳が俺のモノだっていう証拠』


そう言って笑顔を浮かべた、大翔君の事を……。
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