揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
待ち受け画面になると、すぐに着信履歴を確認した。


そこには、愛しい人の名前が幾つも並んでいた。

1時15分を最初に、10分ごとに鳴らされていて…1時45分が最後だった。


たぶん、この後に諒斗が電源を落としたんだろう。

そう考えると、すごく胸が苦しくなる。


どんな気持ちで、電話を鳴らしてくれてたんだろう?

怒ってるよね?


約束、すっぽかしてるんだから……。


続けて、メールの着信を確認した。

センターにも問い合わせしたら、何件かの未開封メールがあった。


ここにも、大翔君の名前が並んでいて。

一つ一つ、メールを開いていく。


≪待ち合わせって、1時だったよね?≫

≪駅の改札で待ち合わせで良かった?≫

≪電話鳴らしたけど、分かったかな?≫

≪家に電話したけど、誰もいないみたいだけど。何かあった?≫

≪由佳、今どこにいるの?≫

≪会えなくてもいいから、連絡して?≫

≪……ごめん、さっきの嘘。すっげぇ由佳に会いたい≫

≪とりあえず…駅で待ってる≫


それが…最後のメールだった。


気がつくと、携帯の画面が濡れていた。

雨じゃなくて…私の涙だ。


ごめんね、大翔君。

心配掛けて…ごめん。


携帯をジーンズのポケットに突っ込むと、私は雨の中に飛び出して自転車へとまたがった。


メールよりも、電話よりも、私は少しでも早く会いたかった。

雨に濡れるとか、髪型とか服とか、もうどうでもいい。


会いたくて、会いたくて。


こんな私を何時間も駅で待っていてくれる彼に、無性に会いたかったんだ。


ここから駅まで自転車で7~8分。

私は、夢中でペダルを漕ぎ続けた。
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