揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
信じていたい-side大翔-

chapter23

ゴールデンウィークの最終日。


やっと気持ちの通じ合った俺と由佳さんは、デートの約束をした。


梨香と出かける時とは違う。

もちろん、まどかさんとも。


ホントに好きな人と出かけるのが、こんなにもドキドキするんだって事を。

初めて…知った。










「お金、これで足りる?」


午前11時。


いつもに増してお洒落な格好のまどかさんが、俺に一万円札を一枚差し出してきた。


「こんなに要らないよ」


「でも、お昼と夜ご飯の分だから。梨香ちゃんとデートなんでしょ?女の子にお金払わせちゃダメよ」


そう言って、まどかさんは俺の左手の中にお札を押し込んだできた。


彼女は、今日の相手を梨香だと思っている。

由佳さんだと知るとまた邪魔が入りそうで、俺はあえて黙っていた。


「ちょっと遅くなるかも。先に寝てて。あっ、ちゃんと私のベッドで寝ててよ?」


そう言って、まどかさんは笑った。


今日は、大学の同窓会があるらしい。

毎年参加してるけど、いつも帰ってくるのは夜中だ。


「飲みすぎないように。帰りはタクシー乗りなよ?」


玄関まで見送り、そう声を掛けた。


まだ20代後半の、美人な彼女。

酔って駅から歩いて帰ったりしたら、変な奴に襲われかねないし。


「分かってるわよ。じゃあ、行ってきます」


そして、俺の唇に軽くキスを落とすと。

彼女は、嬉しそうに家を出て行った。
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