揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「ねぇ由佳、由佳。このクラス、男子のレベル高くない?」


後ろを振り返るなり、親友の沙希がそう言ってきた。


今日は始業式。

新しいクラスに入り、自分の席を見つけて座った途端の事だった。


私と沙希は出席番号が1つ違いなので、前後の席。

まだ全員そろってはいないものの、彼女は既に周りにチェックを入れていたらしい。


「そうかなぁ?」


言われて、見回してみる。

確かに、去年のクラスよりはレベル高いかも。


でも、それはあくまでも一般論で。

私の中では特にしっくりくる人もなく、すぐに沙希へと視線を戻した。


「ホントさぁ、そろそろ由佳も彼氏作ったら?淋しくない?そんな高校生活」


「別に、淋しくないし」


「理想ばっか追い求めてたら、取り残されちゃうよ?人生、どっかで妥協しないと」


そう言って、沙希は私の肩をポンッと叩いてきた。


もちろん、沙希の言ってる事は分かる。

だけど、やっぱりつき合うなら、自分がこの人!って思った人とつき合いたいし。

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