揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
携帯を持ったまま、しばらく考えていた。


このまま、ホントに由佳さんに会えなくなったら。

俺は一体どうなるんだろう?って。


せっかく、恋人としてスタートできるところなのに。

このまま会えなくなってしまったら?


俺は…きっとマトモじゃいられない。

気が狂ってしまうかもしれない。


それぐらい、俺にとって大切な人なんだ。


もう一度、俺はメールの画面を開いた。


≪……ごめん、さっきの嘘。すっげぇ由佳に会いたい≫


今の俺に、余裕なんてない。

もし由佳さんの居場所が分かったら、どこへだって飛んで行くだろう。


「なんか、雨降りそうだよねー」


俺の横を通り過ぎた女子高生達が、そう言って慌てて駅に入って行く。

見上げれば、確かに雨雲が迫っていた。


雨降るって言ってたっけ……?


傘の用意はしてきていない。

でも今の俺には、天気よりも由佳さんが気がかりで。


≪とりあえず…駅で待ってる≫


それだけメールを打ち、俺はとりあえず携帯をポケットにしまった。
< 202 / 298 >

この作品をシェア

pagetop