揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「ひ、ひろ……」


名前を呼ぼうにも、あまりにも突然過ぎてパニクってしまい。

彼の名前すら、うまく呼べなくなっていた。


「せっかく、つき合えるようになったんだよ?なのに…何で泣いてるの?」


耳元で、そう尋ねられる。


一糸纏わない私の体と、大翔君の体。

それが今、ぴったりとくっついて離れない。


それどころか、背中に回された彼の腕に力が入る。


「泣いて…ないよ」


あくまでも、嘘をつき通す。

バレてると分かっていても、認めるわけにはいかなくて。


そんな私にじれったくなったのか…彼は、キスをしてきた。


「んっ……」


思いに反して、私の体は大翔君を待っていたらしい。

キスされただけで、体中の力が抜けていくのが分かる。


抱きしめられていなかったら、座りこんでしまうぐらいに。


唇の隙間から、私の吐息と共に小さな声が漏れる。

その声を聞くと、彼は唇の間から舌を割り入れてきた。


温かく、私の口内を支配する彼の舌。

強引に私の舌に絡んできたかと思うと、優しく舌の表面を舐めていく。


その動きに気を取られていると。

いつの間にか彼の右手が、私の露わになっている左胸に重なっていた。


ビクンッ


思わず、体が反応していた。

激しいキスをしながら胸を触られ、だんだんと頭がぼうっとしてくる。


その脳裏の片隅に…さっきの鏡に映った自分の姿が残っていた。


諒斗に付けられた痣が幾つもある、汚れた自分の体。
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