揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「由佳の初めて…俺がもらってもいい?」


胸から顔を上げた彼に、そう言われてしまった。


初めて……。


その言葉に、私の全部が現実に引き戻された。


頭も、この淫らになりかけていた体も。

全身から血の気が引いていくのを感じながら、私はただ黙って彼を見ることしか出来なかった。


諒斗に抱かれただなんて知らない大翔君は、もちろん私が処女だって思っている。


だけど…分かってしまうんじゃないだろうか?


もし最後までいった時に、初めてなのかそうでないのかっていう事が……。


「優しくするから」


私の戸惑いを勘違いしたのか、彼はそう言ってきて。

かと思ったら、彼の右手が私の足の付け根の辺りを探り始めた。


「い…や……」


秘部を触られるんじゃないかと思って、慌てて拒む声を出した。

だけどうまく声が出せなくて、シャワーの音にかき消される。


「嫌……」


彼の手の動きが激しくなっていくのを止めたくて、私はもう一度声を出す。


「由佳……?」


さっきより大きく出た声に、彼は動きを止めた。

不思議そうに見てくる大翔君を私から離したくて、


「嫌っっっ!」


そう叫んで。

思い切り…突き飛ばしてしまった。
< 220 / 298 >

この作品をシェア

pagetop