揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
しばらくの間。
彼は、背中を向けたまま黙っていた。
聞こえてない訳じゃないと思う。
ただ、あまりにも突然過ぎて。
理解するのに時間が掛っているんだろう。
彼が背中を向けていてくれて、正直ホッとした。
正面を向いていたら、言い出せなかったかもしれない。
「……やっぱり、嫌だった?」
こっちを見ないまま、彼は少し震えた声で尋ねてきて。
「え……?」
何の事か咄嗟に思いつかず、そう訊き返した。
「さっき、無理に抱こうとした事……」
そして、ゆっくりと振り返る彼。
その双眸は…涙で潤んでいた。
ドクンッ
その表情が、心臓を鷲掴みされたかのように苦しくさせる。
泣いてる……?大翔君が?
彼の涙を見たのは、もちろん初めてだった。
誰より大人で、誰よりしっかりしていて、誰よりクールな彼が…泣いている。
折れてしまいそうな心を懸命に保ち、私は真っ直ぐな彼の瞳から目を逸らした。
彼は、背中を向けたまま黙っていた。
聞こえてない訳じゃないと思う。
ただ、あまりにも突然過ぎて。
理解するのに時間が掛っているんだろう。
彼が背中を向けていてくれて、正直ホッとした。
正面を向いていたら、言い出せなかったかもしれない。
「……やっぱり、嫌だった?」
こっちを見ないまま、彼は少し震えた声で尋ねてきて。
「え……?」
何の事か咄嗟に思いつかず、そう訊き返した。
「さっき、無理に抱こうとした事……」
そして、ゆっくりと振り返る彼。
その双眸は…涙で潤んでいた。
ドクンッ
その表情が、心臓を鷲掴みされたかのように苦しくさせる。
泣いてる……?大翔君が?
彼の涙を見たのは、もちろん初めてだった。
誰より大人で、誰よりしっかりしていて、誰よりクールな彼が…泣いている。
折れてしまいそうな心を懸命に保ち、私は真っ直ぐな彼の瞳から目を逸らした。