揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
そして放課後。


朝に降り出した雨は、今もなお降り続いている。


やってるわけないよね……。


家路を辿る私は。

小学校の横を通る時に、かすかな望みを持ってグランドを覗いた。


誰もいない、雨を大量に含んだグランド。

とても、野球なんてやれるはずがない。


分かり切っていた現実を、突きつけられた気がした。


昨日はろくに見れなかったから、今日はちゃんと見たかったのにな。


自分の気持ちに気付いてしまったら、好きという想いが止められなかった。

こんなに誰かに会いたいって思うの、初めてかもしれない。


喋れなくてもいい。

私を見てくれなくてもいい。


ただ…あなたの姿を見たいんだ。
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