揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
chapter29
正直、今日から学校というのは…気が重かった。
大翔君と別れてブルーなのもあるけれど、何と言っても問題はアイツだ。
「諒斗の奴、今日は遅いね。寝坊でもしたかな?」
沙希の言った言葉に、思わずドキッと反応してしまう。
確かに、今日はいつもより来るのが遅い。
会わずに済むなら会いたくない、っていうのが本音。
あんな事があったのに、今まで通りでなんかいられるはずがない。
「あっ、来た来た」
事情を知らない沙希は、もちろん諒斗に対して普通に接していて。
教室に入って来たらしいアイツに、手を振っている。
私はというと……。
とりあえず、アイツの席とは反対の窓の方を向いていた。
私の気分とは正反対の、抜けるような青空。
昨日の雨が、嘘みたいだ。
「ゴールデンウィーク明けだからって、寝坊したんじゃないの?」
沙希の問い掛けに、
「バーカ、朝練だよ朝練。大会、近いからさ」
そんな風に答えるアイツは…いつもの諒斗だ。
何事も無かったかのような錯覚に、ふと陥りそうになる。
諒斗のシた事も実は夢で、大翔君と別れたって事も夢なんじゃないかって。
「大会近いなら、由佳も王子とデートできないね」
何も知らない沙希は、私が真吾とつき合ってると思っている。
沙希に話さなきゃいけない事、いっぱいあるな……。
私にとって今年のゴールデンウィークは、あまりにもいろいろありすぎた。
ここで簡単に話せる事じゃないし、ましてや諒斗の前でなんて無理だし。
とりあえず、「ははっ」と曖昧な笑顔を返してみる。
そんな私の事を…諒斗はじっと見ていた。
大翔君と別れてブルーなのもあるけれど、何と言っても問題はアイツだ。
「諒斗の奴、今日は遅いね。寝坊でもしたかな?」
沙希の言った言葉に、思わずドキッと反応してしまう。
確かに、今日はいつもより来るのが遅い。
会わずに済むなら会いたくない、っていうのが本音。
あんな事があったのに、今まで通りでなんかいられるはずがない。
「あっ、来た来た」
事情を知らない沙希は、もちろん諒斗に対して普通に接していて。
教室に入って来たらしいアイツに、手を振っている。
私はというと……。
とりあえず、アイツの席とは反対の窓の方を向いていた。
私の気分とは正反対の、抜けるような青空。
昨日の雨が、嘘みたいだ。
「ゴールデンウィーク明けだからって、寝坊したんじゃないの?」
沙希の問い掛けに、
「バーカ、朝練だよ朝練。大会、近いからさ」
そんな風に答えるアイツは…いつもの諒斗だ。
何事も無かったかのような錯覚に、ふと陥りそうになる。
諒斗のシた事も実は夢で、大翔君と別れたって事も夢なんじゃないかって。
「大会近いなら、由佳も王子とデートできないね」
何も知らない沙希は、私が真吾とつき合ってると思っている。
沙希に話さなきゃいけない事、いっぱいあるな……。
私にとって今年のゴールデンウィークは、あまりにもいろいろありすぎた。
ここで簡単に話せる事じゃないし、ましてや諒斗の前でなんて無理だし。
とりあえず、「ははっ」と曖昧な笑顔を返してみる。
そんな私の事を…諒斗はじっと見ていた。