揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「なら…このまま俺とつき合えよ」


そう言ったかと思うと、アイツは私を抱く腕に更に力を入れた。

そして右の耳朶を軽く舐めたかと思うと、甘噛みされる。


「あっ……」


大翔君に何度か攻められたその場所は、諒斗の舌にさえ敏感に反応してしまう。


「アイツにも、こうやってされたのか?」


そのまま、首筋を舌がゆっくりと滑り落ちていく。


「やっ…はぁっ……」


嫌なのに、相手が違うのに。

何でこの体は…うまく動いてくれないんだろう?


「そんな声、アイツに聞かせたのかよ?」


イラついたような、諒斗の声。

吐息が首筋に当たって…ゾクッとする。


「や…だ」


別れたとしても…私が好きなのは、大翔君だ。


「キスマーク、もっと見えるトコに付けないとな」


そう言って、右の鎖骨の辺りに口付けて痕を付ける。

軽い痛みに、一瞬眉をひそめた。


そして、昨日の鏡に映った自分の姿を思い出した。

諒斗に付けられた、たくさんの赤紫の痕。


「お前が…俺のモンだっていう印」


そう言って、今度は唇を塞がれる。

軽く触れたかと思ったら、いきなり舌で唇を割って中に入ってくる。


「んんっっ」


必死にアイツの胸を押して離そうとするけれど、びくともしなくて。

正面に向き直していたアイツに、しっかりと抱きすくめられている。


とにかく…嫌だった。


だって、私は諒斗のモノじゃない。

私に印を付けていいのは、大翔君なの。


私は…大翔君だけのモノなのっっ!!
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