揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
舌を激しく絡めてくる諒斗から顔を懸命に背けて唇を外すと、


「好きなんだよ、由佳」


アイツは見た事の無いぐらい必死な顔でそう言って、右手を私の後頭部に当ててきた。

顔を動かせないように……。


「私が好きなのは、諒斗じゃない」


怖くて、悲しくて、やめて欲しくて。

涙が流れそうになるのを必死に堪えながら、私は諒斗にそう告げた。


「別れたんだろ?ガキと。なら、いいだろ?俺のモンになれよ」


そして、棚の隣の壁に私の体を押し付ける。

しっかり押さえつけられた体は、横にも動けない。


「諒斗のせい…だから」


零れてしまいそうな涙を必死に目の中に溜めつつ、私は真っ直ぐにアイツの顔を見た。


「何が?」


「大翔君と別れたの…諒斗のせいだから」


そう言うと、真顔で私を見返していたアイツは急に笑い出した。


「もしかして、俺に抱かれたから?」


「決まってるじゃん。だって…初めてだったんだから」


私の言葉に、諒斗の顔から笑顔が消えた。


「初めて……?」


「そうだよっ。諒斗だって、分かったでしょ?」


初めて…私と繋がった人なんだから。


「まぁ…な。なら、余計都合いいじゃん。俺が責任とってやるよ」


諒斗の空いた左手が、私の紺のブレザーのボタンを1つずつ外していく。


「どうせなら、ガキでも作っちまうか?」


そう言って笑いながら、今度は胸元の深紅のリボンを解く。

簡単に解けたそれを床に落とすと、今度はブラウスに手を伸ばしてきた。
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