揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「そうなの?」


事情を知らない真吾は、疑わしそうに私を見てくる。


だけど…別れたのは事実だから。

私は、黙ったまま頷いた。


「……何で?うまくいってたんじゃなかった?」


訳が分からないといった感じで、真吾は真っ直ぐに私を見てくる。

説明して欲しい、と言わんばかりに。


だけど、それを説明するには避けて通れないものがある。


「俺から説明してやろうか?」


何だか楽しそうに、諒斗が私を見ている。


正直、諒斗に犯された事なんて誰にも言いたくなかった。

もちろん、アイツの口からも誰にも言って欲しくない。


「やっぱり…無理だったんだよ、小学生なんて」


そして、またついてしまった嘘。

思ってもいない言葉で、体を汚されたという事実に蓋をする。


「由佳……?」


真吾は、そんな私に違和感を感じたらしく。

掴んでいた諒斗の服から手を離すと、私の方へと歩み寄って来た。


ごめんね、真吾。


心の中で、そう謝る。


「何か…あったの?」


優しく、そう声を掛けてくれる。


いつだって、真吾は私に優しくしてくれた。

たくさん振り回してしまったのに、全て笑って許してくれて。


なのに私は、大翔君と別れてしまったんだ……。
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