揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「やけにタイミング良く、こんなトコに来たな?」
諒斗は真吾の右肩を掴んで、そう尋ねた。
その問いに、真吾は体を諒斗に向き直して。
左手に持っていた物をアイツに差し出した。
「部室に落としてっただろ?教室に届けに行ったら、由佳の友達がここにいるって教えてくれたんだよ」
それはきっと、沙希の事。
そして真吾が手にしていたのは、見覚えのある諒斗の茶色の財布だった。
「ご丁寧に届けに来なくても、沙希に渡しといてくれりゃいいのに」
そうボヤくと、諒斗は財布を受け取ってズボンの後ろのポケットへと突っ込んだ。
「お前の様子が変だったから、話したかったんだよ。まぁ、原因は何となく分かったけどさ」
そして真吾の視線が、また私に移された。
「とりあえず、俺らはつき合ってんだから。もう邪魔すんなよ。なぁ?由佳」
その言葉に驚いて諒斗の顔を見ると、アイツは何か言いたげに私を目で制してきた。
そう、まるで……。
犯されたって知られたくなかったら話を合わせろ、って言わんばかりに。
「う、うん……」
それが、私の精一杯だった。
次々と重ねられていく嘘に、息苦しくなってくる。
このまま私は、ホントの気持ちを偽り続けて生きていかなくちゃいけないんだろうか……?
真吾の真っ直ぐな視線がこの嘘を見抜いてしまいそうで、私は慌てて器具を班ごとに並べ始めた。
どんどん嘘つきになっていくね、私……。
諒斗は真吾の右肩を掴んで、そう尋ねた。
その問いに、真吾は体を諒斗に向き直して。
左手に持っていた物をアイツに差し出した。
「部室に落としてっただろ?教室に届けに行ったら、由佳の友達がここにいるって教えてくれたんだよ」
それはきっと、沙希の事。
そして真吾が手にしていたのは、見覚えのある諒斗の茶色の財布だった。
「ご丁寧に届けに来なくても、沙希に渡しといてくれりゃいいのに」
そうボヤくと、諒斗は財布を受け取ってズボンの後ろのポケットへと突っ込んだ。
「お前の様子が変だったから、話したかったんだよ。まぁ、原因は何となく分かったけどさ」
そして真吾の視線が、また私に移された。
「とりあえず、俺らはつき合ってんだから。もう邪魔すんなよ。なぁ?由佳」
その言葉に驚いて諒斗の顔を見ると、アイツは何か言いたげに私を目で制してきた。
そう、まるで……。
犯されたって知られたくなかったら話を合わせろ、って言わんばかりに。
「う、うん……」
それが、私の精一杯だった。
次々と重ねられていく嘘に、息苦しくなってくる。
このまま私は、ホントの気持ちを偽り続けて生きていかなくちゃいけないんだろうか……?
真吾の真っ直ぐな視線がこの嘘を見抜いてしまいそうで、私は慌てて器具を班ごとに並べ始めた。
どんどん嘘つきになっていくね、私……。