揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「何それ?今更、何言ってんの?」
克也も、大翔君と同じ事を訊いてくる。
そりゃそうだよね。
私だって、『何それ?』って思うよ。
私は、彼が小学生だなんて事どうでもいいんだから。
ただ…他に別れる理由が見つけられなかっただけで。
「とにかく、克也には悪いけど別れたから」
そう言って、私は机の横に立て掛けてあった鞄を手に取った。
この空気を壊したくて、中から英語の宿題のプリントと教科書を取り出す。
「俺の事は、どうだっていいんだよ」
そう言ったかと思うと、いきなり立ち上がって克也は私の元へと歩いて来た。
そして、私の座っている椅子をおもむろに回転させてくる。
「えっ?」
そのせいで……。
私の正面に、怒っている弟の姿が現れた。
「何年、姉ちゃんの弟やってると思ってんの?大翔は騙せても、俺はそんなヘタクソな嘘じゃ騙されないよ?」
「……」
言葉が…出なかった。
何か言わなきゃいけないのに。
嘘なんかついてないって、克也に言わなきゃいけないのに。
私の中からは、涙しか出てこないんだ。
克也も、大翔君と同じ事を訊いてくる。
そりゃそうだよね。
私だって、『何それ?』って思うよ。
私は、彼が小学生だなんて事どうでもいいんだから。
ただ…他に別れる理由が見つけられなかっただけで。
「とにかく、克也には悪いけど別れたから」
そう言って、私は机の横に立て掛けてあった鞄を手に取った。
この空気を壊したくて、中から英語の宿題のプリントと教科書を取り出す。
「俺の事は、どうだっていいんだよ」
そう言ったかと思うと、いきなり立ち上がって克也は私の元へと歩いて来た。
そして、私の座っている椅子をおもむろに回転させてくる。
「えっ?」
そのせいで……。
私の正面に、怒っている弟の姿が現れた。
「何年、姉ちゃんの弟やってると思ってんの?大翔は騙せても、俺はそんなヘタクソな嘘じゃ騙されないよ?」
「……」
言葉が…出なかった。
何か言わなきゃいけないのに。
嘘なんかついてないって、克也に言わなきゃいけないのに。
私の中からは、涙しか出てこないんだ。