揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「由佳とは…もうヤったのか?」


いきなり、そう尋ねてきた。

回りくどくなくて、却ってちょうどいい。


「おかげさまで」


克也のおかげで、昨日俺達は結ばれる事ができた。


ここまでホントにいろいろあったけど。

やっと、心も身体も一つになれたんだ。


「由佳から聞いたのか?俺がアイツを襲ったって」


そう尋ねるアイツの顔は、怖いくらいの真顔だった。

真っ直ぐに射抜くような目で、俺を見てくる。


「聞きましたよ、あの日の事。初めは話してくれなかったんだけど。ただ、由佳はあんたに最後まで抱かれたって思ってるみたいだから。ちゃんと確認してから…俺は彼女に伝えたかったんだ」


俺も、負けじと視線をぶつからせていく。


真っ直ぐに見上げる俺の言葉で、アイツは状況を悟ったらしく。

再び、苦笑いを浮かべた。


「バレちゃ…しゃあねぇよな。ホントは、既成事実作りたかったんだけど」


「そんなの、あんたのエゴだろっ?由佳がどれだけ傷ついたのか、分かってんのか!?」


自然と、口調がきつくなる。

だけどアイツは、こうなる事は想定内だったんだろう。


笑いが…変わっていた。


「アイツが勝手に勘違いしたんだろ?俺に処女奪われたって。アイツが見たシーツの血、何だと思う?」


「……何だっていいよ」


「まさかの、俺の鼻血だよ。アイツの裸見て興奮して、鼻血垂らしたんだよ」


そして自嘲するかのように、諒斗は声を出して笑い始めた。
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