揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「分かった。じゃあ、みんなの前では『大翔君』って呼ぶね」


「でも、俺が由佳の事を見下ろせるようになったら、『君』は付けなくていいから」


私より5センチぐらい低い、大翔君。

でも、そんなのすぐに抜かされてしまうと思うんだけど。


「そんなの、もうすぐじゃない」


「とりあえず、今のところのルールだから。その代わり、ルール違反にはちゃんと罰ゲームがあるからさ」


「ば、罰ゲーム?」


楽しそうな彼を見ていたら、ろくな事じゃないように思えてきて。

思わず、眉をひそめてしまった。


「そう。2人きりの時に『君』を付けたら、由佳が自分から服を脱ぐっていうのどう?」


……このクールな小学生は、どこまでが冗談でどこまでが本気なんだろう?


涼しい顔に不敵な笑みを浮かべる彼は。

絶対、ランドセルを背負ってる小学生には思えなくて。


「ふ、服なんか、脱ぐわけないじゃないっっ」


脱がされるのも恥ずかしいのに、自分から脱ぐなんてあり得ないしっ。


「だってそうすれば、由佳が俺とヤりたいって思ったらわざと『君』付ければいい話じゃない?」


「……何でそんな誇らしげに言うわけ?」


「え?俺は、由佳の心を代弁したつもりだけど?」


何か…いいように弄ばれてる?私。


「とりあえず、由佳が間違えなきゃいい話だよね?」


「まぁ、そうだけど」


そして彼はベッドから下りると、下に散らばっていた私の服や下着を拾い集めてくれた。

見られるのが恥ずかしくて、布団を被ったままゴソゴソと急いで身に付けていった。
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