揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「えっ?だって……」


大翔君の言ってる意味が、よく分からない。


だって、私の初めての相手は諒斗なのに……。


「昨日抱いた時、由佳は最後気を失ってたから分からなかっただろうけど。血が…少し出たんだ」


「血……?」


でも、それは諒斗の時にも出てたから。

まだ2回目だからとか……?


「確かに、抱いてて初めてのような気もしてきたから…今日、確かめてきた」


そう言うと、彼はゆっくりと私から体を離し。

両手で私の肩を掴み、その綺麗な黒い双眸を私に向けてきた。


「諒斗に訊いたら…最後までシてないって言ったよ。シーツの血も、アイツの鼻血だってさ」


そう言って彼は笑ったけど。

私はいきなりな展開についていけてなくて、笑うどころじゃなかった。


「ちょっと待って、じゃあ私は諒斗に処女を奪われてないって事……?」


「そう。由佳の処女を奪ったのは、俺」


そう言ったかと思うと、彼はいきなり唇を重ねてきた。


不意打ちのキスだけど、それはすごく優しく感じて。

パニクっていた私の心を落ち着かせてくれた。


「それを、早く伝えたくてさ」


唇を離すと、彼はそう告げてきた。


「汚れて…なかったんだ」


ずっと、気にしてた。

大翔君じゃない人に抱かれてしまった、この汚れた体の事を。


「由佳は、汚れてなんかないよ」


そっと、優しく頭を撫でてくれる。

私と変わらない大きさの手が、今日は何倍にも思えるぐらい大きく感じた。
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