揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「……?」


不安になって顔を上げてみると。

ニヤッと笑っている彼の、何か企んでそうな顔がこっちを見ていた。


「ほら、脱いで?」


「えっ?あぁっっ!」


すっかり忘れてた。

『大翔君』って、また言っちゃったんだ……。


「この間は見逃したけど、今日はもうダメだよ。ほら、早く脱いで?」


そう言うと、彼は私から体を離し。

ベッドの上に腰掛けた。


そして、じっとこっちを見上げてくる。


「じょ、冗談…だよね?」


「俺、嘘はつくけど冗談は言わないよ?」


堂々と『嘘はつく』ってどうなんだろう?と思いつつ。

真っ直ぐな刺さる様な視線を前に、それ以上何も言えなかった。


「脱がないと…ダメ?」


「そういうルールだったよね?」


このエロ小学生は、あくまでも私に自分で服を脱がせるつもりらしい。

そりゃあ、『君』を付けちゃった私が悪いんだけどさ……。


「分かったわよ、脱げばいいんでしょ?」


半ばヤケクソにそう言って、私は長袖のTシャツに手を掛け。

躊躇う気持ちをぐっと抑え、バサッと思い切って脱いだ。


「言っとくけど、全部だからね?」


そう言って口角を上げ、彼は私を見上げてくる。


「……分かってるわよ」


キャミソールを残したまま、今度はスカートに手を掛けた。

ホックを外し、ファスナーをゆっくりと下ろす。


恥ずかしくて、とてもじゃないけど彼の顔なんて見れなくて。

そっぽを向きながら、私はゆっくりとスカートを下に落とした。


パサッと音がして、下着と脚が露わになる。


恥ずかしさと、もし今ここに克也が来たら?っていう不安から。

どうにも居心地が悪い。
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