揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
複雑な思いを抱えたまま、私は駅からの道を歩いて帰っていた。


重かった心も、もうすぐ小学校だと思うとなんだか軽くなってきて。


覗き…じゃないから。

見学よ、見学。


言い訳するように、心で呟いてみる。

誰に対して言ってんだか。


この間とは違う場所のフェンスから、覗いてみた。

水沢がまた現れたらヤだし。


よく見ると、ちょうどシートノックをしているところで。

監督らしき人がどんどんと球を打っていく。


その打球がすごく強くて、びっくりした。


小学生であんな球捕ってるんだ……。


みんな、それを追いついて捕ってるからすごい。

克也も普段とは違う真剣な表情で、球に果敢に飛びついていく。


大翔君も、ファーストゴロやライナーをきつい当たりでも捕り続けている。
< 32 / 298 >

この作品をシェア

pagetop