揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「今日、真吾君スタメンらしいよっ」


「うっそ、マジ?やったじゃんっ。諒斗君もだよね?」


今は、9時50分。


うちの学校の体育館に行くと、思っていた以上の観客数で、思わず圧倒されてしまった。

しかもその大半が、隣の子達みたいに高崎君や諒斗のファンの子らしいから驚きだ。


まぁ確かに、中学の時の諒斗のバスケ姿はカッコ良かったけど。


高崎君も、かなりのイケメンではあるし。


とりあえず、応援に来た事をアピールしとけばいいかな?

帰りは急ぐから、始まる前のがいいよね。


2階の観覧席にいる私は、最前列の手すりの所まで移動し、1階のコートを見下ろした。


ちょうど、うちの学校がシュート練習をしている。

上からだから多少見にくいけれど、諒斗の姿はすぐに見つけられた。


ゼッケン5番。

2年生にしてこれってすごいんだよね?


パスを受けてのランニングシュート・45度からのドリブルシュート。

決めるたびに、いわゆる黄色い歓声が飛び交う。


人気あるんだ、諒斗って……。


改めて、そう気付かされた。

でも、それ以上にすごいのが高崎君で。


ゼッケン7番の彼の3ポイントシュートや90度からのロングシュートが決まると、耳を塞ぎたくなるぐらいの歓声が上がる。


すごい人だったんだね、高崎君……。


そんな人から、こんな何の取り柄もない私が告られるなんて、世の中なんか間違ってるかも。

っていうか、私が告られたって知ったら、みんなどうするかな……?


祝福…なんてされないよね。
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