揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
想像しただけで、背筋に悪寒が走り。

思わず、身の危険を感じてしまった。


その時、不意に高崎君と視線が合った。

緊張からか少し強張った顔をしていたけど、急に顔をほころばせて私の方に向かって手を振ってくる。


私に振ってる……?


そう思ったとたん、私の周りで大歓声が沸き起こった。

みんなが、自分に振ってもらったと思って激しく振り返す。


アイドルのコンサートじゃないんだから……。

思わず突っ込みを入れたくなる。


でも、ホントは私に振ってくれたのかな?

なんて、つい自惚れてしまって。


照れくさかったものの、みんなに紛れて私も小さく振ってみた。

その姿がおかしかったのか、彼はくすっと笑うとゴールに向かってドリブルしていった。


きれいなドリブルからのレイアップシュート。


絵になるなぁ、なんてつい見とれてしまった。

諒斗のバスケはカッコいいって思ってたけど、高崎君のは綺麗って感じで。


こんな人が自分の彼氏だったら、そりゃあ自慢できるよね。

イケメンでバスケの上手いアイドルのような男の子。


だけど、しっくりこないのは何でだろう……?
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