揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
結局、試合はうちの学校の圧勝に終わった。


相手チームにしたら完全なるアウェイだもんね、この雰囲気じゃ。


とりあえず応援も出来たし、約束は果たせたかな。

急いで帰らなきゃ。


盛り上がる応援団の中をかき分けながら、私は階段へと向かった。

足を小刻みに動かして急いで階段を下りると、そこには何故か諒斗の姿が……。


「あれっ、何してんの?こんなとこで」


さっきまでコートの中にいたはずなのに、いつの間にこんな所へ?


「お前がさっさと帰ろうとするからだろっ。試合が終わったら、友達ほかってとっとと帰んのかよっ?」


「えっ?だって、急いでるし……」


「片付けたら急いで真吾と来るから、それまでここで待ってろよっ」


私の言葉を聞いていたのかいないのか。

一方的にそう言うと、諒斗はまたコートへと戻って行ってしまった。


「えっ?だから、私急いでるんだってばっ!」


慌ててアイツの背中に言うけれど、返事がない。


「おーい、諒斗ー!!」


そのまま、諒斗の姿は見えなくなってしまった。


ホント、俺様な奴……。


慌てて携帯で時間を確認してみると、11時15分。


げっ、既に予定時間過ぎてるんですけど……。


だけど勝手に帰る訳にもいかなくて、とりあえず私は階段の横で待つことにした。
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