揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
その日の夜。


部屋のベッドで、寝ころびながらケータイ小説を読んでいたら。

突然、メールの着信音が鳴った。


見ると、諒斗からで。

その時になってやっと、私は明日の約束の事を思い出していた。


大翔君の事で頭いっぱいで、ついつい忘れてたよ。


慌てて、メールを開いた。


『明日の連絡。由佳の観たがってた映画に行く事にしたから、9時半に駅に集合な。真吾とは向こうで落ち合うから。ちなみに、沙希はバイトだってさ』


相変わらずの、そっけないメール。

絵文字って言葉知らないの?アイツは。


とりあえず、返信をした。


『連絡ありがと\(^o^)/映画楽しみだぁ(^^♪沙希がいないのは淋しいけど、とりあえず明日よろしく♪』


そんな感じで送ると、私は携帯を閉じた。

そして、ふと今日の昼間の事が頭に浮かんできた。


この携帯、大翔君が一緒に探してくれたんだよね……。


そう思ったら、自然と顔がニヤけてくる。


だって、嬉しすぎるもん。

すぐ隣に立ったり、いっぱい会話したり……。


「あーーーーーーっ!」


すごい事を思い出し、私は思わず叫んでしまっていた。


すると、


「姉ちゃん!?どうした?」


って、ドアの向こうから心配そうな克也の声が。

隣の部屋にいたのに、わざわざ出て来たらしい。


「な、何でもないからっ。その…発声練習よっ」


「発声練習?夜に何やってんだよ、全く……」


どうやら納得してくれたみたいで、隣の部屋のドアが閉まる音が聞こえた。


ふぅ……。

危ない、危ない。
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