揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
手元の携帯から聴こえてきた呼出音で、自分のしてしまった事に気がついた。


やだっ、鳴らしてるっっっ!!


慌てて切ろうとしたけれど。

パニクってしまって、うまく切れない。


そのうちに、


『もしもし』


って、向こうから声がしてしまった。


どうしようっ?大翔君出ちゃったよ!

切る?話す?どうすんのよ、私ー!?


どうにも出来ずに、ただただ携帯を握りしめていたら。


『もしかして…克也の姉さん?』


って、彼の方がそう言ってくれた。


私って分かっちゃったんだ。

しまったなぁ……。


だけど、今更切るわけにもいかなくて。

仕方なく、深呼吸を1つして電話に出た。


「も、もしもし?」


掛けてしまった申し訳なさと、電話で話せる嬉しさの入り混じった複雑な心境。

とりあえず、小さな声で話しかけてみた。


『やっぱり、克也の姉さんだ。なんか見覚えのある番号だったから』


そう言って、大翔君は笑ってくれた。

私の電話なんて迷惑だろうに。


「あのねっ、携帯いじってたら間違えて押しちゃって……。ごめんね?」


『……そっか』


なんか、その言い方がすごく素っ気ない気がしたのは…気のせいかな?

ちょっと傷ついちゃったりしてるんだけど……。
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