揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
いつも時間に遅れて梨香に怒られるから、今日は早目に家を出た。


駅までは、歩いて15分ぐらい。


チャリで行くか迷ったけど、天気がいいから歩いて行くことにした。

トレーニングがてら走っても良かったけれど、疲れて映画で寝てしまいそうだし。


ただでさえ、梨香が観たがってるのは恋愛映画。

眠気を堪えるのが大変そうだ。


そんな事を考えていた頃、駅舎の屋根が見えてきた。


梨香、まさか来てないよな?


心配になって改札の辺りを覗いてみると、そこには驚くべき人の姿があった。


由佳…さん?


確かに、それは由佳さんで。

待ち合わせしてるのか、辺りをキョロキョロと見ている。


すげぇ偶然……。


それに、私服…初めて見たかも。

いつも制服姿だったから。


なんだか、新鮮な感じがする。

それに…かわいいし。


どちらかといえば、幼い感じだから。

制服を着ていないと、とても高校生には見えない。


声…かけてみようかな。


はやる鼓動を抑え、駆け出そうとした時だった。


「由佳っ!」


俺と反対の方から、高校生ぐらいの男の人が走って来た。

その姿を確認すると、由佳さんは笑顔で手を振っている。
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