揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
俺が素直にそう言ったら、皆シーンとしてしまって。


しまった……。

何か、告ってるみたいだよな?これじゃあ。


「吉野さんは、小学生にもモテるんだね」


左の奴が、そう言ってくすっと笑った。

『吉野さん』って言ってるぐらいだから、こいつはきっと彼氏じゃない。


っていうか、明らかに『小学生』って言い方…俺の事バカにしてないか?


「いやっ、そんなモテるだなんてっ。そんなんじゃなくてっ……」


「そうだよな、お子ちゃまだからガキにモテるんだよな、由佳は」


今度は、彼氏の方がそう言いやがった。


『ガキ』って俺の事か!?

なんか…無性に腹立つんだけど、こいつら。


俺がムスッとしてるのが分かったのか、由佳さんが困った顔で俺を見ていた。


いや……、由佳さんのせいじゃないし。


「さっきから聞いてるけど、何で大翔がそんなオバサン相手にしなきゃなんないの?彼女、私なんだけど」


そして、俺以上にムスッとした奴がここに1人。

横目で見たら、かなりご機嫌斜めになっている。


「イマドキの小学生は進んでんだなぁ。2人、つき合ってんだ」


彼氏の方が、面白そうにそう言った。


「やめなよっ、諒斗」


由佳さんが、慌てて彼氏の腕をつかむ。


『諒斗』か……。

何か、また胸が痛いや。
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