揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「……」


突然核心を突かれ、俺は咄嗟に言葉が出てこなかった。

だって、それを訊いてくるコイツの真意が分からない。


「好きなんだろ?」


今度は、ズバリと訊いてくる。

ますます、どう答えていいものか考えてしまう。


どういう答えを求めてるんだ?


コイツは由佳さんの彼氏なんだから。

もちろん、俺が由佳さんを好きでいちゃ困るって事なんだろうけど。


「由佳さんは、克也の姉さんだから知ってるだけ。それに、俺には彼女いるし、由佳さんにもあんたがいるし」


俺の言葉を聞いて、諒斗は納得いかないって顔をしている。


俺、何かマズイ事言ったか?


「俺が訊いてるのは、立場じゃなくてお前の気持ち。彼女とか彼氏とか関係なしで、どうなのかって訊いてんのっ」


そんなの…好きに決まってる。


でも、今そうやって答える勇気は無かった。


「そんなこと訊いて、どうなるんですか?」


思い切って、そう尋ねてみた。
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