揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「どっからそんな声が出てくんの?相手、男?」
まだ部屋にいた克也が、冷やかすように口を挟んできた。
「あっ、ちょっと待ってね」
あえてかわいく言った後、黙って克也の頭を小突きに行った。
「いってぇーっっ!」
頭を押さえてうずくまる弟をほっといて、私は慌てて高崎君に声を掛けた。
「ごめんねっ」
『いや、いいけど…何か声しなかった?』
「え?あっ、なんかドジな弟が柱に足をぶつけたみたい。ホント、おっちょこちょいだからぁ」
『そっか。弟さんいたんだよね』
何とか納得してくれて、とりあえず良かった。
頭を押さえながら睨んでくる克也を手で追い払い、私は…いよいよ本題を切り出した。
「あの…ね、ちょっと話があって……」
繋がってしまったのも、もしかしたら運命なのかもしれない。
私は、彼に返事をする事を決めた。
『……もしかして、告白の返事とか?』
言い当てられ、思わずドキッとなる。
「う、うん……」
『ごめんっ、ちょっと待ってっ』
すると、今度は高崎君が会話を止めて。
何だろう?って思いながら、彼の言葉をを待っていた。
『……ごめん、いいよ。覚悟は決めたから』
「えっ?」
覚悟って……?
もしかして、私がまた断るって思ってる?
『吉野さんに振られる覚悟』
やっぱり……。
「あのねっ、高崎君。そうじゃないのっ」
私は、慌てて否定した。
だって、今回は振るんじゃないから……。
『え?』
「あのっ、私と…つき合って下さい」