聖夜の魔法
……――
目が覚めたときには宏人の腕のなかにいた。
ひどく安心する。
この時あたしは、
“聖夜も悪くないな”
と感じていた。
大嫌いだったはずのクリスマスが、今ではとても大切な日になっている。
サンタさんからのプレゼントだったりして。
柄にもなくそんなことを考える。
いやもしかしたらこっちが本当のあたしなのかもしれない。
もう仮面を被るのはやめよう。そんな必要なくなったのだから。
だからこれからはずっと自分の気持ちにも素直になろう。
宏人のことを
こんなにも愛しているんだ。
絶対に離さない。
宏人の綺麗な寝顔を見て
あたしはもう一度眠りについた……。
END