闇夜に笑まひの風花を
「__っ!」
光に覆われて視覚を失う。
途端に襲うのは、頭痛。
彼女は頭を抱え、床に膝を着いた。
いた、い。
痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
頭が、割れ……る。
あまりの痛みに耳鳴りがして。
突き落とされたのは、闇……だ。
闇。
白い、闇。
視界を覆い尽くす、白。
無機質で、べったりとした空間。
なに。
ここはどこ。
足が、浮いている。
どれだけ手を伸ばしても、何も触れない。
頭がおかしくなりそう。
ズキリ、とまた痛んだ。
思わず顔を歪める。
この状況をどうにかしたくて叫ぼうと大きく息を吸い__声が、出ないことに気づいた。
喉が、引き攣れる。
頭が痛い。
目の前に広がるのは、真っ白な空間。
ただただ白い、終わりの見えない闇。
そこ、に。
唐突に浮かぶ、二つの図形。
見たこともない、それ。
否。
知って……いる。
この陣を、知っている。
忘れ得ない。
罪深き、呪。
ズキリ。
痛みを伴ったのは、身体のどこだろう。
知らない。
__知っている。
分からない。
__嘘を、吐くな。
そんなこと、忘れた。
__忘れさせない。
目の前が、真っ赤に__真っ黒に染まる。
「いやあああああぁぁぁぁぁっっ!!!」
忘れていた記憶。
忘れてしまいたかった記憶が、蘇る__。