闇夜に笑まひの風花を


__私は、そんな人を、
あんなに不足しがちな愛情をくれた人を、
人知れず溜まっていく寂しさを見つけて、レイカのようにあやふやな偽りの言葉ではなく、本当のことで解してくれる人を、
ナノや両親、ユタカさまとハルカさまと同じくらい大切だった人を__殺して、しまった……。

私が、殺してしまったの。

__生き返らせたかった。

お母様やお父様や、他にも優しい呪術師たちや……蘇らせたかった人はいっぱいいるけれど、
願わくば、罪を贖うために皆を生き返らせたいけれど、
そんなことは無理だと知っているから。

禁術を犯して、それでも叶えられるのは、一人が限度だと……知ってしまっているから。

だからせめて……。
無関係なはずのツユキさまを__生き返らせたかった……。

ハルカさまが泣くのが目に見えているから。
お母様が亡くなったときの衝撃を、私は知ってしまったから。

何より、恩を仇で返すような出来事に、私がひどく傷ついたから。

けれどやはり……それは叶わなかった。


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