恋愛ざかり
『おーい!優ー?あ………那奈のこと…思い出しちゃった…?』
波流は申し訳なさそうにうつむく。
『ん?あー…別に…思い出すも何もあれから一度だって那奈の事、忘れたことはねぇよ。』
波流と亜斐は那奈と友達だった。
那奈を紹介してくれたのは、波流だった。
那奈に初めて逢ったとき……―――
高1の4月。
『あ、優?コイツが那奈。超うるさいし、騒がしいけど、いい奴だよ。』
そう言った波流の隣の女に視線を移した。
セミロングの自然な茶髪に背は少し高め。
クッキリとした目鼻立ちに、細身の身体。
大人っぽい風貌の中に可愛い雰囲気を持ち合わせている。
それが那奈の第一印象。