恋愛ざかり
『桜野、那奈の事、知ってんのか?』
俺は焦った口調で尋ねる。
『もちろん。友達だったよ。でも、あーゆうタイプの子、苦手だったなぁ……那奈、イイ子過ぎて、こっちが疲れるんだよね。一緒に居ると、那奈と比べられてばっかだった。それは水麗も嫌だったんじゃないかな。』
桜野は少し怒ったような口調に変わった。
『那奈さぁ、水麗の彼氏とか、好きな人、全部とったんだよね。那奈、水麗が憧れだったんだって。何でも一緒にしてたらしいよ。香水も、メイクも、服も、カバンも、髪型も、しゃべり方も、性格も……好きな人も…彼氏も…ね。』
桜野は悲しそうに話す。