恋愛ざかり


『はぁ〜、一人でいけばいいじゃん……』



私は渋々立ち上がった。




『いいじゃん、ヒマなんだから!あ、しーくん!!』



夏海は教室の端の机に座って、たむろってる集団の中心にいる、椎那くんに話しかけた。



『ん?なーちゃん、どうした?』


椎那くんは振り返って、夏海を見る。



友達と話してたのに、すぐに話を切って彼女を大切にしてるって感じ、いいなぁ。




『あのね、水麗がお昼、付き合ってくれないから、しーくんと食べよーかなぁって。ダメ……かな?』


夏海は少し涙目で首を傾けて、上目遣いで椎那くんを見る。




< 92 / 602 >

この作品をシェア

pagetop