月を狩る者狩られる者
そんな感じで、私達は喫茶店を後にした。


「でも、それならこれからどうしよう? やることなくなるのよねー」

一端マンションに戻ろうかということになって、朔夜の車に乗り込みながら私は呟いた。


「そうか?」

私の呟きに朔夜はそう返すと、助手席の脇に手を回し背もたれを倒した。


「わあ!?」

いきなり上半身を支えていた背もたれを倒され、私はその背もたれと一緒に倒れてしまう。


その上に朔夜が覆い被さった。



「ヒマならヒマで、色々とやりようはあるが?」

影になった顔が笑う。


「ダメ……止めて……」

私は近づいて来る顔に言った。
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